[原子力産業新聞] 2008年3月6日 第2419号 <2面>

医療粒子線照射に基準 放射線審議会が厚労省に答申

文部科学省の放射線審議会(会長=中村尚司・東北大学名誉教授)は2月27日、「診療用粒子線照射装置に係わる放射線障害防止に関する技術的基準」に関する厚生労働省からの諮問に対し、「妥当」との答申を行った。

陽子線や炭素イオン線による医療は、治療成績も向上し、今後の普及が見込まれる。一方、これら粒子線施設は医療法上、特段の規定がないため、「診療用高エネルギー放射線発生装置」に準じた指導が行われてきた。重粒子線治療技術については、放射線医学の専門家らによる研究で、特段の規制を設ける必要はないとの検討結果が得られているが、技術的基準を整備する観点から、放射線障害防止技術基準法に基づき、1月に厚労省から放射線審議会に諮問された。

諮問内容では、診療用粒子線照射装置を「診療の用に供する陽子線または重イオン線を照射する装置」と定義したほか、(1)届け出る事項(2)装置の防護に係わる基準(3)使用室の構造設備に係わる基準――をそれぞれ規定しており、これまで準用してきた「診療用高エネルギー放射線発生装置」にならっている。

今後、厚労省は医療法施行規則の改正を行う。


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