[原子力産業新聞] 2008年3月6日 第2419号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 2月設備利用率は56%、依然低調 川内1が利用率105.4%をマーク

日本原子力産業協会調べによると、2月の国内原子力発電所稼働状況は、震災による柏崎刈羽全号機停止に加え、先月以降の定検入りプラントを反映し、設備利用率は56.2%と、昨年末、冬季電力需要に対応すべくやや回復の兆しがあったものの、再び下降に転じた。因みに昨夏以前から停止している発電炉を除くと利用率は74.1%となる。総発電電力量は193億3,624万kWh(対前年同期比20.4%減)。日数の少ない2月だが、月ごとの発電量が200億kWhを割り込んだのは、04年10月以来。その中で、九州電力川内1号機が利用率105.4%と、単月の数値として過去最高値をマークした。

2月中旬は、冬型気圧配置により、全国的に厳しい寒さに見舞われ、13日、電気事業連合会10社の冬季日電力量が、過去最高の32億8,945万1,000kWhを記録、今年6回目の更新。冬季最大電力も同19時、過去最高の1億5,910万2,000kWを記録、今年4回目の更新。

運転中の発電炉に、目立つトラブルはなかったが、四国電力伊方2号機で定検中、高圧タービンを通った蒸気を低圧タービンに送り込む湿分分離加熱器内で、溶接部を含む1箇所に割れが確認、同様の設計・製作による部位について、溶接部強度を向上した新品と交換することとした。

タービン羽根損傷を踏まえ、昨年2月から定検中の北陸電力志賀2号機では、建設段階での設計、製作・据付、試運転と、今回定検での外観点検、開放・分解点検が、適切に実施されているとする設備総点検結果を3月4日にとりまとめた。


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