[原子力産業新聞] 2008年3月13日 第2420号 <2面>

ITER超伝導コイル初入札 日立電線商事などが落札 2件は落札者なく、価格交渉次第

日本原子力研究開発機構は国際熱核融合実験炉(ITER)に納入する機器の国内初の一般競争入札を行い、11日に開札した。

今回の入札対象は、トロイダル・コイル2個分の超伝導コイル部品で、4件に分けて公募した。

その結果は、「トロイダル・コイル用ニオブ3スズの素線(1)」は日立電線商事(日立電線の100%子会社)が約15億5,000万円で、「同素線(2)」はジャパンスーパーコンダクタテクノロジー(神戸製鋼所の100%子会社)が約14億1,000万円で落札した。

この他の「トロイダル・コイル用ニオブ3スズ撚線(1)」と「超伝導コイル用導体」の2件については、予定価格を上回った入札しかなかったため、落札者はなし。しかし今後、原子力機構が入札に最低価格を示した会社と価格交渉を行い、予定価格に収まればその会社と随意契約を結ぶ方針で、予定価格に収まらなかった場合には再入札を行うことにしている。

今回の一般競争入札は昨年12月26日付けの官報(号外政府調達第240号)で公示、応札締切りはいずれも3月3日、開札が11日だった。落札者の決定は「予定価格の制限の範囲内で最低価格をもって有効な入札を行った入札者」となっている。

物品の納入はいずれも茨城県の同機構・那珂核融合研究所へ、素線と撚線は2010年3月26日までに、導体は14年3月14日までとなっている。


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