[原子力産業新聞] 2008年3月13日 第2420号 <2面>

研究廃棄物処分具体化へ 文科省 作業部会を改組

文部科学省の科学技術・学術審議会「原子力分野の研究開発に関する委員会」(主査=田中知・東京大学工学系研究科教授)は10日、「研究施設等廃棄物作業部会」の設置を了承した。来年度予算で、日本原子力研究開発機構における研究施設等廃棄物処分費積立金として43億円が新規に盛り込まれたのを受け、処分事業の早急な具体化に向け調査検討を行うもの。新作業部会の主査には、山名元・京都大学原子炉実験所教授が就任予定。

原子力研究開発や放射線利用に伴う低レベル放射性廃棄物については、原子力機構で、自らのものと他業者発生分も合わせて処分を実施するよう、先月、関連法案が今通常国会成立を目指して閣議決定された。これら研究施設等廃棄物は、トレンチ型またはコンクリートピット型埋設地に浅地中処分されるが、約2,500事業所を発生元とする廃棄体の総量は約53万本(200リットル・ドラム缶)、総事業費は約2,000億円と見積もられている。

埋設事業は、施設の初期建設約8年、約1万本(同)/年として操業約50年、最終履土約3年と見込まれ、勘定の新設により、処分費用は他の研究開発費と分けて管理を行う。今後は、処分地選定、業務の独立性・透明性確保が重要課題となるが、新たに設置される「研究施設等廃棄物作業部会」には、ジャーナリスト、公認会計士も交え、埋設処分事業の推進に向けて、幅広く議論する。同作業部会新設に伴い、従前の「RI・研究所等廃棄物作業部会」は廃止となった。


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