[原子力産業新聞] 2008年3月27日 第2422号 <2面>

ゼロエミッションの原子力を 国民対話 低炭素社会への道筋

「甘利経産相、鴨下環境相と語る希望と安心の国づくり」の国民対話が、内閣府主催で4月5日午後、「地球温暖化について」をテーマに、今夏G8サミットの開催地北海道・洞爺湖町の洞爺湖文化センターで行われる。

事前に内閣官房が取りまとめた「論点ペーパー」では、「低炭素社会への道筋」として、世界全体の温室効果ガスの排出量が現在、自然吸収量の約2倍になっていることから、「日本は『世界全体の排出量を2050年までに半減』を世界共通の長期目標として提示」していると説明している。

そのため論点としては、(1)低炭素社会の姿とはどのようなものか(2)そんな社会を作るのに必要な政策手法とは(3)国際的な協調・協力体制はどのようにあるべきか――の3点を掲げた。低炭素社会づくりに向けては、(1)低炭素型住宅などの技術イノベーション(2)ライフスタイル改革B低炭素型の大規模な都市造りなど社会資本イノベーション――が必要だとしている。

より具体的な近未来の実施項目としては「原子力発電の推進」も、低炭素エネルギーの活用の中で、太陽光発電や石炭利用のクリーン化などの技術と一緒に列挙されている。

さらに2050年のイメージでは、(1)太陽光社会(2)水素社会(3)二酸化炭素を排出しないゼロ・エミッション社会(4)超高効率省エネ社会――の4項目を例示。

ゼロ・エミッション構想の中で、原子力については、次世代軽水炉技術、中小型炉技術、高速サイクル技術を挙げ、「ゼロ・エミッションの原子力発電を大幅に拡大」と明示した上で、中小型炉の例として、蒸気発生器を圧力容器内に納めたIMR(電気出力35万キロワット)の原子炉鳥瞰図を示すなどしている。


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