[原子力産業新聞] 2008年4月3日 第2423号 <2面>

持続可能な社会のためのエネルギー環境教育 エネルギー環 境教育研究会

日本の小学校、中学、高校、大学の各課程で理科離れ傾向が危惧されている中、米国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデン、フィンランドではどのようなエネルギー・環境教育がなされているのか。そして、それは成功しているのか、日本にも取り入れられるものか。

「エネルギー問題への対応はこれからの、国民生活の盛衰にかかわる長期的課題」ととらえ、「(社)科学技術と経済の会」のエネルギー環境教育研究会(委員長=内山洋司・筑波大学院システム情報工学研究科教授)が3年をかけて取りまとめた成果を盛り込んだ出版物。

各国のエネルギー情勢から説き起こし、エネルギー環境教育の取り組み方、その具体例、今後のエネルギー環境教育に望まれることを記述し、最後に教育関係者による「これからのエネルギー環境教育の展望」と題する座談会を開催し、本音を語ってもらっている。

ここ数年、世界的学力調査で1位を確保し、世界的に有名になっているフィンランドのエネルギー環境教育についても、「傾聴に値する様々な工夫をこらしている」として紹介している。ちなみにGDP当りのエネルギー消費量は、フィンランドは暖房、重工業、分散した人口分布による長い輸送距離などによって、日本の2倍以上となっている。

漫画を多用した魅力的な教材が開発されていたり、かなり多くの学校がエネルギー週間の行事に参加して学習を行ったりしている姿を浮き彫りにしている。

新技術振興渡辺記念会が創立25周年記念事業として、国土社から出版。定価2,800円+税。


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