[原子力産業新聞] 2008年4月3日 第2423号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 07年度利用率61%、震災打撃 総発電量も3,000億kWhに届かず

日本原子力産業協会の調べによると、07年度の原子力発電設備利用率は60.7%と、昨夏の中越沖地震に伴う東京電力柏崎刈羽全号機停止などにより、一斉点検の影響を受けた03年度(59.7%)並みの低水準となった(=左表参照)。総発電電力量は、2,638億kWhで、3,000億kWhの大台に乗せた06年度から13%後退した。

利用率、発電量ともに筆頭は、九州電力玄海3号機(PWR、118万kW)で、それぞれ101.9%、105億5,884万kWhをマーク、時間稼働率も100%で、年間を通じたフル稼働は本年度、これ1基のみである。タービン羽根損傷に伴う圧力プレート設置により、出力を下げて運転中の中部電力浜岡5号機(ABWR、126.7万kW)は、発電量94億2,037万kWhと、百億kWhには一歩及ばなかった。

一方、07年3月の稼働状況だが、設備利用率52.9%と、一斉点検の影響を大きく受けた03年度初頭のレベルにまで落ち込み、総発電電力量も194億8,711万kWhで、前月に引き続き200億kWhを割り込んだ。月内、定検に伴い、8基が停止し、月末時点で発電停止中の炉は計29基となり、この低調はしばらく続くものとみられる。


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