[原子力産業新聞] 2008年4月17日 第2425号 <2面>

核不拡散でアンケート調査結果 外務省

外務省はこのほど、今年1月にアンケート調査した「日本の軍縮・核不拡散に関する意識調査」の集計結果を発表した。

全国の成人2,000人を対象に個別面接方式で実施、有効回収率は65.1%。

まず、核兵器保有国の増加防止を目的とした核兵器不拡散条約(NPT)があることを知っているかでは、「知っている」が約59%、「知らない」が41%。NPT成立後38年が経過しているが、「同条約が国際社会の安定と平和の増進に役立っているかどうか」を聞くと、「役立っている」が48%、「役立っていない」が31%、「分からない」が21%となっている。

「役立っていると思う理由」(複数回答)を聞くと、@同条約がなかったら、どの国も核兵器を持ってよいことになり、世界の安全が脅かされる=56%A加入国が最も多い核関係条約(5核兵器保有国を含む190か国が加入)であり、核兵器の拡散を防止するのに貢献=46%B核兵器保有国へ軍縮努力を行うよう働きかける基礎となっている=34%C原子力の平和利用の促進に役立っている=27%D国際原子力機関(IAEA)による原子力関連施設の査察を可能としている=25%E核兵器保有国が軍縮努力を行っていることを象徴しているから=19%――となっている。

同条約が「国際社会の安定と平和に役立っていないと思う理由」(複数回答)を聞くと、@同条約があっても、北朝鮮やイランなどの核問題が起こっている=73%AインドやパキスタンのようにNPTに加入せずに核兵器を保有する国がある=54%B5核兵器国の核兵器独占を許す不平等な条約である=40%CIAEAの査察が核兵器国に対して義務的に行われていないから=23%D核兵器は平和の維持に役立つものであり、核兵器保有国が増加しても国際社会の平和と安定は損なわれないから=13%――などとなった。

次に、世界各国が取り組むべき軍縮・不拡散の課題について複数選択で聞くと、@北朝鮮の核開発問題=55%A5核兵器国による核軍縮の推進=38%Bイランの核開発問題=34%C核兵器など大量破壊兵器を用いたテロリズムの防止=30%DNPT未加入国による核兵器開発問題=23%E未発効である包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効促進=15%F交渉が開始されていない兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の交渉開始=13%G核兵器など大量破壊兵器の開発に関する地下ネットワークへの対応=12%H拡散に対する安全保障構想(PSI)の各種訓練参加や未参加国の参加促進=12%、I分からない=20%――となっている。


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