[原子力産業新聞] 2008年4月17日 第2425号 <3面>

ESBWRは入札を辞退 加オンタリオ州

既存炉のリプレースに向けて炉型選定作業を実施しているオンタリオ州当局は8日、GE日立ニュークリア・エナジー社(GEH)が入札を辞退したことを明らかにした。

オンタリオ州は先月7日、GEH製ESBWRを採用炉型候補の1つとして挙げ、入札を要請していたが、GEHは入札を辞退。今後オンタリオ州は、@仏アレバ社製USEPRAカナダ原子力公社(AECL)製ACR1000Bウェスチングハウス社製AP1000――の3炉型の供給者と事前協議を開始する。正式な入札締め切りは5月9日だという。

GEHは、米国でESBWRが設計認証(DC)を申請中であることに加え、米国で4プロジェクトがESBWRの採用を決定していることから、米国事業への注力を判断したようだ。

ただしGEHのカナダ現地法人は、AECLを中心とするコンソーシアム「チームCANDU」に参加しており、GEHがオンタリオ州の事業から完全に撤退したわけではない。

また炉型の決定権はオンタリオ州にあるが、当該炉型の許認可を発給するのは、連邦レベルのカナダ原子力安全委員会(CNSC)の管轄だ。そして連邦政府は「カナダ原子力産業の将来は、オンタリオ州でCANDU炉が採用されるかどうかに懸かっている」と主張している。

こうしたことから一部には、「州政府の意図に関わらず、ACR1000以外は分が悪いのでは」との指摘もある。


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