[原子力産業新聞] 2008年5月1日 第2427号 <2面>

安全指標などで進捗報告 基盤機構 総合評価手法導入に向け

原子力安全基盤機構は、4月8日の総合資源エネルギー調査会・検査の在り方に関する検討会で、安全実績指標(PI)評価と安全重要度(SDP)評価の検討状況などを報告した。これまでに評価手法の枠組みを策定、今後はパイロットプラントのシミュレーションなどにより、運用に向けた詳細を検討するとした。

PIとSDPを組合せ、原子力発電所の保安活動を総合評価する手法の導入は、同検討会の06年9月の報告書「原子力発電施設に対する検査制度の改善について」に盛込まれた。PIは保安活動をプラントのパフォーマンスの指標化により評価、SDPは検査での発見事項や発生トラブルが安全に与える影響度合い(重要度)を評価する。両評価に基づく保安活動の総合評価は、次の検査計画の立案などに活用される。すでに各国が活用あるいは活用を検討している。

今会合で機構は、計画外自動・手動スクラム回数、計画外出力変動など、これまで検討してきたPIの指標とその基準値の考え方、SDPでは定期検査、定期安全管理審査、保安検査、国への報告などその対象、A〜Dとする評価の分類と評価結果を統合する方法などについて説明。併せて総合評価、次年度検査計画への反映などの例も示した。

今後の課題では導入、運用を目指したシミュレーションの実施、PI評価のための指標・基準値の確定、安全機能や品質マネジメントシステムに係るSDP評価、評価結果公表などを挙げた。


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