[原子力産業新聞] 2008年5月1日 第2427号 <4面>

問題解決へ「果敢に挑戦」 原子力学会 サミットへ向け声明

日本原子力学会はこのほど、洞爺湖サミットに向けた声明「地球のためのクールアースエネルギー原子力」を発表した。地球温暖化対策が主要テーマとなる今夏サミットに際し、低炭素エネルギーの1つとして、原子力の有効性を国際社会に発信するもの。

声明ではまず、世界のエネルギー消費量が現在の対策のままでいくと、30年には約1.5倍にも達するとして、地球環境を維持しつつ、増大する需要に応えるよう、低炭素エネルギー源による多角的なエネルギー確保の必要を述べた。その上で、温室効果ガスをほとんど排出せず、燃料の供給安定性からも、原子力エネルギーを「広く正当に評価されるべき」と訴えた。一方で、安全確保、核不拡散・セキュリティの担保、放射性廃棄物問題を「科学者・技術者として果敢に挑戦すべき課題」との認識を示し、「その解決が技術的にも社会的にも可能」との確信を表明した。

声明は結びに、地球温暖化抑制のため、原子力科学・技術者の英知を結集し、「原子力と世界の人々の調和ある発展と平和」に貢献する決意を述べている。


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