[原子力産業新聞] 2008年5月15日 第2428号 <2面>

保障措置の重要性改めて指摘 近藤原子力委員長 査察用封印のき損で

文部科学省の原子力安全課保障措置室は、13日の原子力委員会に、日本原燃・再処理施設ウラン酸化物貯蔵建屋で発生したIAEA(国際原子力機関)の査察用封印のき損について報告した。近藤駿介委員長は誠に遺憾とし、保障措置システムの機能維持が事業活動の前提という点を、事業所の隅々までに徹底することなどを求めた。

封印のき損は同建屋で3月と4月、作業員の不注意により連続して発生。文科省は文書で厳重注意し、日本原燃は再発防止対策を実施した。

報告に対し近藤委員長は、「事業者は我が国の原子力平和利用は、核不拡散の取組みに対する国際社会の信頼の上に成立していることを深く認識し、保障措置システムの機能維持に、放射線安全管理活動と同等のウェイトで気配りが行われるよう、経営資源を配置し対策を実施すべき」と指摘。同システムの機能維持のため、ヒューマンエラーの防止も含めた民間規格整備が望ましいとした。IAEAの査察用封印は、日本原燃の再処理施設だけで400以上、全国全ての原子力施設では5,000に達する。


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