[原子力産業新聞] 2008年5月22日 第2429号 <3面>

WH社 2011年から5年契約 ウクライナに燃料供給

東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社はこのほど、ウクライナの原子炉3基に2011年から5年間にわたって燃料集合体を供給する契約を獲得したと発表した。

この契約についてWH社のA.キャンドリス副社長兼原子力燃料事業部長は、「ロシアからの燃料輸入依存を軽減するという点でウクライナのエネルギー供給保障上大きな意義を持つものだ」と指摘。その上で、「当社がウクライナにおける核燃料年間所要量の約4分の1を任されたという事実は、ウクライナの原子力発電会社であるエネルゴアトム社が当社の能力と市場競争力に高い信頼を寄せていることを証明している」と強調したほか、この契約はウクライナおよび、中・東欧の原子燃料市場における重要なマイル・ストーンになるとの認識を表明した。

WH社によるウクライナの核燃料市場参入は、2000年に米国政府が当時のウクライナ政府による燃料供給源多様化政策を受けて、米国製の燃料集合体をウクライナのVVERで使用するプロジェクト(UNFQP)を開始したのに端を発している。このプロジェクトにより、WH社はすでに2005年にサウス・ウクライナ原子力発電所3号機(100万kW、VVER)に試験集合体6体を供給したほか、09年には第2段階として42体の集合体を出荷する予定になっている。


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