[原子力産業新聞] 2008年5月22日 第2429号 <3面>

株売却で協議続行 英BE社 新規計画めぐり熟慮

英国のブリティッシュ・エナジー(BE)社の取締役会は16日、同社の将来と新規原子力発電所プログラムで同社が中心的役割を果たすための計画について複数の利害関係者と協議した結果、BE社株の買収額に関する彼らの申し出について、さらに数週間の協議期間を設けたいと発表した。

声明によると、これらの利害関係者達からは同社の「原子力債務基金」の現金化可能な株の取得も含めて最高の条件が提示されたとしている。その中には5月15日の同社株の終値より高値での申し出が含まれていたことから、今しばらく協議を継続することになったと説明している。現段階で、どの利害関係者が有力であるか、などの具体的な項目については何も決定していない。

フィナンシャルタイムズ紙等の報道によると、15日のBE社株の終値は一株あたり680ペンスだったが、利害関係者と目される仏電力公社(EDF)、ドイツのE・ON社とRWE社、英国のセントリカ社などのうち、EDFとRWEはそれをわずかに上回る金額を提示しているという。EDFはこのほか、英国における新規原子炉建設計画で有利な立場を確保するために、BE社所有のウィルファ、ヒンクリーポイント両原子力発電所近郊の土地を買収したとも伝えられている。

これら企業にとって、BE社株の取得は英国の新規原子力発電所建設計画への参入を確実にすると受け止められていることから、同社株の35%を保有している英国政府とBE社の今後の動きが注目されている。


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