[原子力産業新聞] 2008年5月29日 第2430号 <4面>

エネ白書 原子力を高く評価 唯一のクリーン基幹電源

政府は27日、経済産業省が取りまとめた07年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)を閣議決定した。

最近のエネルギー情勢を分析する第1部のテーマは、「原油価格高騰の要因及びエネルギー需給への影響の分析」と「地球温暖化問題解決に向けた国際的対応」。

原子力に関しては、原油高騰によるエネルギー需給構造への影響の中で、「地球温暖化やエネルギー安定供給などの観点から、この数年の間に見直す動きが多くの国で急速に進展している」とし、各国の動向を分析。我が国の原子力発電推進の基本方針として、今年4月の原産年次大会における福田首相のスピーチのポイントも紹介している。

地球温暖化問題では、温暖化問題とエネルギー問題の一体的解決の中で、「原子力は唯一のクリーンな基幹電源」とし、我が国の発電プラントの計画外停止頻度が各国に比べ格段に低いことや技術開発から設計・製作・建設・運転のいずれの分野においても、世界最高水準の技術レベルと人材、産業の厚みを有していることを指摘した。

一方、原油価格高騰の要因では、実需ベースの価格は60ドル/バレル程度と想定され、これを上回る価格分は地政学的リスクや投資・投機マネーなどのプレミアムではないかとした。


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