[原子力産業新聞] 2008年6月5日 第2431号 <1面>

三菱重工 シェア25〜30%目指す 原子力事業計画を発表

三菱重工業は5月27日、原子力事業説明会を開き、今後の事業計画を発表した。澤明・原子力事業本部長は、@2030年までの世界の原子力プラント市場でシェア25〜30%を実現A神戸造船所で原子炉容器や炉内構造物の生産能力を現在の2倍に増強B13年までに事業人員を約1,000人増員――などの計画を示した。

同社は、世界の原子力発電プラント市場について国産炉を推進するロシア・中国を除く輸出対象国で、30年までに約130基の新設を予測。ものづくり総合力の発揮、原子炉のフル・ラインアップ、グローバル・アライアンスの強化などにより、この内25〜30%のシェアを確保したいとした。年間2基の受注継続を目指す。

原子力事業の規模で同社は昨年、現状の年間2,000億円から10年後に6,000億円とする計画を発表。すでに神戸造船所の本工場で蒸気発生器、高砂製作所で原子力タービンの生産能力の増強を進めているが、今回、今年度から神戸造船所の二見工場で原子炉容器や炉内構造物の専用工場の建設に着手する計画を示した。これらの生産能力を現在の約2倍に増強、より大型や特殊構造にも対応できる工場にするとともに、生産工期も30%短縮する。神戸、高砂の一連の設備投資は400〜500億円の見通し。

事業拡大のため、設計要員や工作要員も増員する計画で、13年までに事業人員を約1,000人増員し、5,000人を上回る規模にする方針。グローバル展開を推進するため、米国のMNES(三菱ニュークリア・エナジー・システムズ)など海外拠点要員も13年までに約100人増強する。

海外企業との協力面では、米国のプラント建設で有力建設会社、同じくメンテナンスで有力エンジニアリング会社との提携を検討中とした。


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