[原子力産業新聞] 2008年6月5日 第2431号 <2面>

浜岡5号低圧T改修へ 中部電力 振動に強い羽根採用

中部電力は5月29日、浜岡5号機(ABWR)低圧タービンの羽根取替工事計画を経済産業省に届け出た。06年に発生した低圧タービンの羽根損傷対策として、新しい羽根を製作し交換するもの。来年度の次々回定期検査で施工する予定。同機は現在、当該位置に蒸気の流れを整える圧力プレートを設置し、定格電気出力を138万kWから126.7万kWに降下して運転中だ。

06年に浜岡5号機低圧タービン3基のいずれも第12段に、全840本中計663本にひび・折損が確認された。今回の取替工事では、損傷の原因となった蒸気流のランダム振動とフラッシュバック現象を考慮し、従来の「テノンシュラウド構造」から振動の減衰効果に優れた「CCB構造」を採用した第12段羽根および羽根取付部を設計・製作し施工するほか、他の段についても新規製作のものに取り替える。製作に際しては、設計の妥当性を確認するため、モックアップによる検証試験も実施した。


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