[原子力産業新聞] 2008年6月5日 第2431号 <3面>

AP1000建設で正式契約 WHと米サウスカロライナ電力

東芝のグループ企業であるウェスチングハウス(WH)社は5月27日、米国のショー・グループとともに、米国スキャナ電力の子会社であるサウスカロライナ・エレクトリック&ガス(SCE&G)社およびサウスカロライナ州所有の電力会社であるサンティ・クーパー社と、新規原子炉の建設に関する契約を正式に締結したと発表した。

これはSCE&Gがサウスカロライナ州ジェンキンスビルで運営するV.C.サマー原子力発電所に、2、3号機として110万kW級AP1000を2基および「エンジニアリングと原子炉周辺設備の調達および建設工事等(EPC)」を提供するというもので、建設プロジェクト全体に関する一括契約となっている。今後WH社らはこの契約に従い、2号機の運転開始を2016年、3号機は2019年を目指して作業を進めていく。

SCE&Gとサンティ・クーパー社は今年3月、V.C.サマー発電所サイトを対象とした建設・運転一体認可(COL)を原子力規制委員会(NRC)に申請しており、2011年に認可が下りれば、州の公益事業委員会等の承認をもって着工にこぎつけるとの見通しを示している。

今回の契約についてWH社のS.トリッチ社長兼CEOは、「(今年4月にジョージア・パワー社とA.W.ボーグル発電所の増設で締結したEPCに続いて)当社がこの6週間に締結した2度目のEPC契約になった」と指摘。「原子力発電がコスト競争力のある、クリーンかつ安全なベースロード電源として完全に受け入れられている証拠だ」との認識を示した。

同社長はまた、「WH社を選んだSCE&G社およびサンティ・クーパー社らとともに、世界の原子力ルネッサンスを牽引していきたい」との考えを表明した。


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