[原子力産業新聞] 2008年6月5日 第2431号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 5月の設備利用率、51%に 志賀2が間もなく営業運転再開

日本原子力産業協会の調べによると、08年5月の国内原子力発電所の稼働状況は、総発電電力量188億1399万kWh(対前年同期比17.4%減)、設備利用率51.1%と、およそ5年ぶりに利用率が5割を下回った前月から若干上向いたものの依然低い水準にある。その中で、低圧蒸気タービンの羽根損傷(06年7月)で停止していた北陸電力志賀2号機が再度、原子炉起動し、21日に定格出力に達した。6月にも営業運転再開となる見込み。

近年、設備利用率は、PWRがBWRを上回る傾向にあって、特に昨年来、震災に伴う東京電力柏崎刈羽全号機停止等の影響で、その差が最大40ポイント位まで開くこともあったが、四国電力伊方1号機と九州電力玄海3号機の定検入りを反映し、5月は、PWR利用率が前月(65.8%)から後退して57.2%、一方で、志賀2号機再開等により、BWRが前月(38.3%)からアップして47.2%と、両者の差が10ポイントに縮まった。

設備利用率の筆頭は関西電力美浜3号機の104.9%、続いて九州電力川内1号機の104.8%で、前月から首位と第2位が入れ替わる格好になった。

因みに、昨夏以前から継続停止している発電炉(試運転を除く、11基)を除いた場合、5月の設備利用率は65.1%となり、4月の同62.5%を上回っていることからみて、夏季電力最需要期に向けた原子力発電の戦列復帰は、まずまず進みつつあるものといえそうだ。


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