[原子力産業新聞] 2008年6月12日 第2432号 <1面>

韓中米ロとの個別会談も開催 甘利経産相

G8エネ大臣会合に合わせて、日本と韓国、中国、米国、ロシアとの二国間会合がホテル青森で開催された。

7日の甘利・ボドマン両大臣会合では、日米原子力協力のさらなる強化をめざして、共同声明を発表した。

同声明では、両国のこれまでの(1)先進的ナトリウム冷却高速炉のプロトタイプのハイレベル設計要件の策定(2)燃料サイクル技術の共同の研究開発協力計画の策定(3)保障措置等の共同研究――などの進展を確認したほか、経済産業省から国際協力銀行および日本貿易保険を通じて、米国での原子力発電所の建設を促進する金融支援を行うことが明記された。

国際協力銀行は、今年10月に発足する日本政策金融公庫に統合され、先進国向けの金融は原則禁止となるが、国際競争力の維持・向上のためには、政令を制定することで可能になるとしている。

ロシアとも8日に甘利・シュマトコ両大臣会合が行われた。

シュマトコ大臣からは、交渉中の日ロ原子力協力協定について、「深刻な意見の対立は残っていないので、早期に締結したい」との意向が示された。

協定交渉の現状について経済産業省では会談後に、「日本も深刻な対立はないと考えているが、協定文書上の技術的な作業はまだ残っている。まだ時間がかかる」と現状を説明した。


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