[原子力産業新聞] 2008年6月12日 第2432号 <2面>

廃棄物処理・処分で報告書まとまる 原子力委・評価部会

原子力委員会の政策評価部会は5日の会合で「放射性廃棄物の処理・処分」の報告書案をほぼ取りまとめた。総じて原子力政策大綱に沿った政策が進んでいると評価したが、取組みの一層の強化を求めた。来月上旬までに最終報告書案を作成、パブコメに付す予定。

報告書案は、(1)地層処分を行う高レベルと長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU)(2)管理処分を行う余裕深度処分対象廃棄物、研究施設等廃棄物、ウラン廃棄物など(3)原子力施設の廃止措置――に分けて評価を示した。

高レベルでは、昨年の取組みの強化策は、大綱に沿うものだが、関係機関の国民との双方向の情報交流や相互理解活動を推進すべきとし、NUMOには機能・体制強化に関する具体的な目標の設定と計画的な実行を求めた。地層処分の研究開発も関係機関が地層処分基盤研究開発調整会議を設置するなど、大綱に沿っているが、NUMOが事業の実施主体としてリーダーシップを発揮すべきと指摘した。

研究施設等廃棄物では原子力機構が他の事業者の廃棄物も含めて埋設処分するための制度整備を実施していると評価した上で、原子力機構は処分施設の立地活動の実施体制の整備や知見の蓄積など、今後の取組みの強化が必要とした。

委員からは、地層処分に関するリトリバビリティー(再取り出しの考慮)の議論を、報告書に盛り込むべきなどの意見が出された。


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