[原子力産業新聞] 2008年6月12日 第2432号 <6面>

原子力機構フォーラム 「もんじゅ」の重要性を訴え 米、仏、露、印、中がFBR開発に期待

日本原子力研究開発機構は6、7日、敦賀市の若狭湾エネルギー研究センターで、「敦賀国際エネルギーフォーラム」を開いた。1999年以来、第6回目となる同フォーラムは、「エネルギーと環境――『もんじゅ』からの提案」をテーマとし、地元高校生を始め、900名以上が参加した。

挨拶に立った原子力機構の岡ア俊雄理事長(=写真)は、7月のG8洞爺湖サミットを展望して、地球温暖化防止とエネルギーの安定供給確保を「我々人類の生存に関わる大変深刻な問題として捉えるべき」と指摘。この両課題の解決のため、脱炭素社会を目指し、徹底した省エネとともに、世界が協力して新たなエネルギー開発に取組むことが不可欠で、「原子力は最も重要な鍵を握っている」と述べた。

セッションT「世界のエネルギー・環境政策と原子力の役割」では、米、仏、ロシア、インド、中国、日本から、各国の原子力発電と高速炉開発について発表が行われた。

ロシア物理エネルギー研究所のカグラマニヤン所長補佐は、高速炉BN800の建設状況について講演。「10年以上、話だけ」であった同炉の建設が、2007年に始まり、現在、建屋と構造物の建設が行われている様子を、最新の写真を交えながら説明した。

セッションU「国際原子力拠点としての『もんじゅ』の役割」に続き、2日目には「原子力熱中塾」として、「エネルギーと環境」、「放射線と原子力の安全」などをテーマとした、一般市民との対話も行われた。

この他、電気自動車の試乗会、原産協会年次大会での福田首相講演のDVD上映、人材問題に関するパネル展示などがあった。


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