[原子力産業新聞] 2008年6月19日 第2433号 <1面>

ガラス固化体 安定運転条件の審議開始 サイクル小委 次回会合で再開判断へ

総合資源エネルギー調査会の核燃料サイクル安全小委員会(委員長=松本史朗・原子力安全基盤機構技術顧問)は13日、日本原燃から六ヶ所再処理施設・高レベル廃液ガラス固化設備の安定運転条件の検討結果報告の説明を受けた(=写真)。

同報告は小委員会の下の再処理WGによる3回の審議を経て、11日に同社が原子力安全・保安院に提出したもの。WGは20日と24日に報告の審議を予定、試験再開の判断は、この審議内容を検討する次回の同小委員会で示される見通し。

報告は、安定運転や長期運転に必要な、(1)炉内の溶融ガラス表面の仮焼層の安定化(2)白金族元素の炉底への堆積対策B低粘性流体発生抑制――などを示す。炉の温度制御に深く係る仮焼層の安定化では、廃液への調整液の添加による廃液調整、廃液供給速度の上昇、投入電力の条件の変更などを実施。白金族元素対策では、回復運転方法や保持運転方法を改善する。低粘性流体はガラスが容器に流下を始める直前に僅かに発生しており、廃液への調整液添加により、硫黄の濃度が低減できるため、同流体も抑制可能としている。

小委では委員から、同流体が微量ながら容器に入ることは、最終処分で課題が残るとの指摘も出た。保安院は固化体の保管では問題が無いが、最終処分への影響は学協会など専門家の検討が必要と考えているとした。


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