[原子力産業新聞] 2008年6月19日 第2433号 <3面>

ウクライナと了解覚書へ 加AECL CANDU炉FSで

カナダ原子力公社(AECL)は5月28日、CANDU炉技術によって、ウクライナのエネルギーおよび生態環境保障を支援していくことで同国の燃料エネルギー省と了解覚書(MOU)を交わすことになったと発表した。

このMOUはウクライナにおけるCANDU炉原子力発電計画の技術的、経済的な実行可能性(F/S)について協力する枠組となるもので、同炉を商業利用していく手順についても策定する予定。AECLとウクライナ政府が共同で実施し、4ヶ月以内に終了することになるとしている。

AECLのK.ペトルニクCANDU炉担当社長よると、ウクライナは天然ウランを燃料として使用できるCANDU炉の特長に強い関心を示している。CANDU炉の設計であれば、ウクライナで稼動するVVERの使用済み燃料からウランを再処理して装荷することも可能であるなど、相乗効果が期待できる点を強調。この減損ウランはまた、天然ウランと似た核分裂性を有することからCANDU炉での利用には最適との見解を表明した。

ウクライナのCANDU炉技術に対する関心を受けて、AECLは今後、リトアニアやルーマニアなど東欧諸国でさらなるCANDU炉オプションの普及を検討していきたいと述べた。


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