[原子力産業新聞] 2008年6月26日 第2434号 <2面>

ベリホフ総裁が原産訪問 今井会長らとITER等で懇談

青森で開催された第2回ITER理事会に出席するため来日した、ロシアのクルチャトフ研究所のベリホフ総裁は19日、日本原子力産業協会の今井敬会長、服部拓也理事長と懇談した。

ベリホフ総裁は、「ITERは自分の30年越しの夢であり、日本に多くを期待する。これまでも経団連との会合等に多々出席したが、今井会長との会見ができなかったが、今回お会いできてうれしい」と述べた。

今井会長は、ベリホフ総裁が旧原産会議時代の九三年に協力協定締結以来の協力に感謝し、今後の日ロ協力についての支援を要請した。

ベリホフ総裁は、ロシアでは現在の原子力発電依存率16%を、今後倍にして行く方針で臨んでいるのに、世界では同依存率が今後20年から30年くらいでもわずか15%にしかならないと見込まれていることに警鐘を発し、これを同じく倍にすべきと語った。そのために核不拡散と安全性の確保を前提にしながらも、「これは技術の問題ではなく、政治的な課題である」と述べた。

今井会長は日ロ間での原子力協力では、原子力協力協定の締結が不可欠との考えを強調した。


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