[原子力産業新聞] 2008年7月10日 第2436号 <2面>

低炭素電力研究会が発足 エネ庁 20年に50%以上目指し

資源エネルギー庁は、原子力など発電時にCOを出さないゼロ・エミッション電源の比率を2020年までに50%以上にする方策を検討する「低炭素電力供給システムに関する研究会」(座長=山地憲治・東大院教授)を発足させ8日、初会合を開いた。

ゼロ・エミッション電源の比率に関する目標は、先月、福田康夫首相が発表した「『低炭素社会・日本』をめざして」の中で掲げた。

研究会は、(1)太陽光発電等の再生可能エネの導入拡大に向けた対策、原子力の推進、火力の高効率化と石炭火力の位置づけなど電源ごとの対策(2)ベストミックスの考え方(3)新エネの大量導入に対応した最適な系統安定化対策およびコスト負担の考え方――などを検討。 来年春頃には報告をまとめる予定で、必要な場合、個別具体的テーマを検討する小委員会も設置する。

初会合ではエネ庁が、太陽光発電を20年までに現在の10倍、30年までに同40倍とするとしたエネ調・新エネ部会の緊急提言案や各電源の動向を紹介するとともに、電気事業連合会が原子力を主軸とするCO排出量削減に向けた取組みを説明。委員から、「風力・太陽光は蓄電池による出力安定化が不可欠でこのコスト負担の扱いが重要」、「電力政策を考える上で、10年後だけを目標とするのは短期過ぎる」などの意見が出された。


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