[原子力産業新聞] 2008年7月10日 第2436号 <3面>

IAEAのレビューが完了 第3世代+PWR ATMEA1の安全設計概念

仏アレバ・グループと三菱重工業の合弁会社であるATMEA社は7日、同社が開発中の新型第3世代PWR「ATMEA1」の安全設計概念について国際原子力機関(IAEA)のレビューが完了したと発表した。

このレビューは、IAEAの国際的な専門家チームがATMEA1の概念設計について、IAEAの定める基本的な安全原則と設計・安全審査に関する主要な要求事項に対する適合性を評価。これらに完全かつ包括的に対処していることが確認されたとしている。

安全設計概念は、現在作業が進められている基本設計のベースとなるもので、今回、基本的な安全性能を満たしていることが国際的に確認された。建設には適用国ごとの許認可が必要となることから、ATMEA社は計画通り、2009年末までに設計認可の申請準備を完了する予定だ。

ATMEA1は欧米や日本を始め、全世界の安全規制に適用可能となることを目指した110万kW級原子炉で、24か月間の長期サイクル運転、全炉心へのMOX燃料装荷などを可能にする技術が盛り込まれる。炉心損傷や大量の放射性物質放出の確率は従来のPWRより一桁低くなる予定で、安全系と生産系は完全に分離。大型旅客機の衝突対策が施されるほか、シビア・アクシデントに対する格納容器の長期的な健全性も確保される設計になるという。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.