[原子力産業新聞] 2008年7月10日 第2436号 <3面>

アレバとミッタル 機器製造で協力へ サルコジ仏大統領 「2基目のEPR建設を」

仏アレバ・グループは2日、仏国の原子力機器製造産業の中心地であるブルゴーニュ地方クルーゾー町でN.サルコジ大統領の立会いの下、世界最大の鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミッタル社と原子力鍛造機器の製造能力を拡大するための了解覚書(MOU)に署名したと発表した。

両者は具体的には、クルーゾー町に立地するインダスチール社(ミッタル社の子会社)における年間のインゴット生産量を現在の3万5,000トンから2010年までに5万トンに増大させることを計画している。これにより、アレバは原子炉容器などEPR用の大型機器を同町で製造する能力が20%拡大すると見込んでいる。アレバはまた、子会社が所有するクルーゾー・フォージ社にも新たな投資を行い、原子炉圧力容器用や蒸気発生器用の大型鍛造物製造能力を増大させる考えだ。

なお、仏電力公社の3日付けの発表によると、両者の合意に立ち会ったサルコジ大統領はクルーゾー町でクルーゾー・フォージ社とインダスチール社の工場を視察したあと演説を行い、仏国内でフラマンビル3号機に次ぐ2基目のEPR建設を検討していることを明らかにした。同町の地元紙の報道では、大統領は「アレバとミッタルの提携により数年後にはEPRは100%フランス製になる」と発言。EPRならガス火力発電所で年間20億立方メートルのガスを節約できるほか、石炭火力発電所からのCO1,100トンの排出削減に貢献できると強調した。


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