[原子力産業新聞] 2008年7月10日 第2436号 <4面>

地層処分体験ツアーも 科技館 原子力展示を一新へ

東京・北の丸公園の科学技術館の原子力関連展示が全面リニューアルされる。都市部での高レベル放射性廃棄物の理解活動を強化するため、電気事業連合会と原子力発電環境整備機構とが共同で、「バーチャル地層処分体験ツアー」のコーナーを設けるなど、特に核燃料サイクル関連の内容を充実。新しい展示フロアは、「アトミック・ステーション『ジオ・ラボ』」(仮称)として、来年3月末のオープンを予定している。

電事連ではこれまで、科学技術館のエネルギー・原子力関連フロア「アトモス」でPR活動を行ってきたが、老朽・陳腐化から、今回、全面リニューアルする。ウラン鉱山、燃料加工、発電、再処理、地層処分に関する展示物をコンピューター・クイズ形式で巡る「原子燃料サイクル体験ツアー」や大型映像、特殊音響により地層処分施設を疑似体験できる「バーチャル地層処分体験ツアー」などを通じて、年間約60万人の来館者に対し、理解を訴えかける。今夏にも展示物製作・工事に入る。

地層処分については、電力各社とも多重バリアシステムモデルの展示など、PR施設の拡充を図りつつある。疑似体験ができる常設展示では以前、日本原子力研究開発機構の「東海アトムワールド」で、アドベンチャーゲーム形式のシアターが公開されていたことがあったが、コスト上、現在は映像のみとなっており、新たに設置される「体験ツアー」への関心の高まりが期待される。


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