[原子力産業新聞] 2008年7月24日 第2438号 <1面>

台湾に重粒子線 放医研が協力取決め

放射線医学総合研究所はこのほど、台湾の張榮發基金会と、重粒子線がん治療や低線量放射線影響などに関する研究協力取決めを締結した。

張榮發基金会は、「エバーグリーングループ」として海運、航空、重工業、ホテル等の事業を展開する台湾有数の企業集団の長榮集團が1985年に公的福祉事業を目的に設立した財団。長榮集團は昨年、張榮發基金会に重粒子線医療研究院を立ち上げ、重粒子線がん治療など新技術を導入したがん治療施設の建設を計画している。

今年4月には張榮發基金会の視察団が放医研を訪れ、同がん治療の実績と台湾での建設計画を討論。一行は、この技術を高く評価していた。

今回の取決めによる協力内容は、(1)医師・研究者及び関連する職員の交流(2)医療に関する交流(3)研究資料、刊行物及び研究情報の交換(4)研究施設・設備の相互利用(5)研究資源の相互利用(6)共同研究活動(7)研究成果物の管理活用――など。

放医研は06年度から開始した第2期中期計画で、重粒子線がん治療研究の成果を世界に発信し、同技術の国際展開を進める方針を打出しており、本取決もこの一環。


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