[原子力産業新聞] 2008年7月31日 第2439号 <4面>

英社 日本でも受注活動開始 第一壁の金属表面加工 ITERの国際ビジネス展開

世界最大手の熱処理加工業者であるボディーコート社(本社・英国マックルズフィールド)はこのほど、世界各極で国際熱核融合実験炉(ITER)に関連した今後の事業のための受注活動を開始した。

例えばITERなど核融合装置には、ドーナツ状に高温のプラズマを磁場で閉じ込め、そこから核融合反応で放出される高速中性子を受け止める「第1壁(ブランケット)」が必要。冷却も含め、最も過酷な条件にさらされる部分だ。

その表面処理をするには熱間静水圧プレス(HIP処理)が求められており、ITER機構では2013年にはHIP処理の開始が予定されている。各極のブランケット作製割り当ては欧州30%、ロシアと米国が各20%、日本、中国、韓国が各10%となっている。

同社のITERとの関わりは、1995年ごろからボディーコート・ヨーロッパ社とボディーコート・アメリカ社が、ブランケット・モジュールの試験生産(=写真は同社製)に共同参加したことから始まった。同社は「世界第一のHIPサービス提供会社」と自負しており、韓国と中国のITER機器供給業者にもHIP処理を提供する予定だとしている。

日本には今年3月に、子会社のボディーコート・ジャパン社(本社・愛知県名古屋市、ジュリアン・ベイショア代表取締役)を設立した。

ボディーコート社は1923年創業で、世界35か国の300以上の企業に冶金サービスを提供し、07年度の売上は10億米ドルを超えている。


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