[原子力産業新聞] 2008年8月7日 第2440号 <2面>

エネ調が総会 高レベル、第2再処理で意見 エネ政策議論 石田長官「サイクル確立急務」

総合資源エネルギー調査会(会長=三村明夫・新日本製鉄会長=写真中央)は1日、1年ぶりに総会を開催、エネルギー政策の今後の方向について意見交換した。原子力では高レベル放射性廃棄物、第2再処理工場などに関する意見が出た。

会合で経産省は、エネ政策の今後の方向として省エネ、新エネ、革新的技術開発、原子力の推進、原子力安全、資源外交、電気事業制度改革の7項目について説明。原子力推進の論点として、(1)設備利用率の向上や新増設の実現(2)核燃料の安定供給、核燃料サイクルの確立、FBRの早期実現(3)高レベル放射性廃棄物の処分の理解活動(4)新規導入国への支援と原子力産業の国際展開支援――など。原子力安全の論点では耐震性確保、新検査制度などを挙げた。

原子力に関して委員からは、「原子力の議論を避けることの解消が必要。原子力ベースに新エネの拡大が重要で、この市民理解に務めるべき」(崎田裕子・環境カウンセラー)、「電力供給で最も重要なのは原子力。安定運転の努力が必要。当面は廃棄物が大きな問題、六ヶ所再処理工場はこの冬を越えない時期に操業する必要がある。第2再処理工場を何処にどう建設するか検討すべき」(鳥居泰彦・慶應義塾学事顧問)、「低炭素電力の安定供給に原子力は重要。中長期的な原子力推進にサイクル確立と廃棄物対策は不可欠で、事業者としても耐震安全性の確保と国民理解、新検査制度の狙いの実現などとともに取組む」(森詳介・電気事業連合会会長)、「廃棄物への国民理解、六ヶ所再処理工場の早期操業、第2再処理工場の検討、新増設の着実な推進の4点が重要。新増設に関連して原子力発電比率も検討すべき」(田中知・東大院教授)などの意見が出された。

エネ庁の石田徹長官(=写真左)は、原子力に関し、「先のG8サミットでも推進が謳われた。サイクル確立が急務だが、他の課題も含めて国は前面に立ち、最大限努力する」と述べた。


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