[原子力産業新聞] 2008年8月7日 第2440号 <2面>

原子力委 概算要求構想をヒアリング FBR、廃棄物、国際協力等

原子力委員会は7月29日と31日に、関係各省から来年度原子力関係概算要求構想をヒアリングした。特に新規施策は出なかったが、文科省はFBR・核融合・量子ビームなど、経産省は放射性廃棄物対策・核燃料サイクル・次世代軽水炉・国際協力などを重点施策とした。

委員会は7月1日に同予算に関し、7項目の重点課題を決定しており、各省は今回のヒアリングでこの課題に対する施策を示した。併せて同委員会は様々な決定や見解を示してきており、これらへの対応も説明した。

文科省は、来年度に「もんじゅ」の出力40%段階の性能確認を実施し、FBRサイクル実用化研究では、実用施設に採用する革新技術の成立性を確認する要素試験研究を拡大する方針。放射線利用では重粒子線によるがん治療の普及を推進、J−PARCは共用促進法の適用を目指す。

経産省は原子力安全確保の充実に向け、高経年化対策、耐震評価技術、緊急時対策などに取り組むとともに、原子力発電と核燃料サイクルの戦略的推進では次世代軽水炉、FBR、海外ウラン探鉱支援などに重点を置く。廃棄物対策では、引き続き都道府県別の説明会などの広聴・広報活動を行い、地層処分を体感できる設備やシミュレーション技術を利用したバーチャル処分場を整備する。

原子力安全委員会は、耐震安全性やウラン廃棄物処分基準の策定に向けた体制を整備する。


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