[原子力産業新聞] 2008年8月7日 第2440号 <3面>

テメリン増設で環境評価実施へ チェコ電力

チェコ国営電力会社(CEZ社)は7月11日、同社がテメリン原子力発電所(PWR2基、各102万kW)で検討している2基増設計画に伴う環境影響評価(EIA)の実施を環境省に依頼した。

増設計画の承認プロセスで不可欠なEIAは、その計画が環境や国民の健康に及ぼすと考えられる影響について複雑な手法で特定・記述・評価する必要があり、大規模プロジェクトの場合は数年間を要することもある。このため、CEZはEIAの手続きを統括する環境省に必要な情報をすべて提出することとし、複雑な手続きが容易に進むよう希望しているもの。

CEZは2006年以降、政権内で反原子力の意見が根強かったことから増設計画を一時棚上げ。今回CEZは、EIAの実施依頼を政治的な判断とは別の、技術的なステップと捉えている点を強調している。CEZのM.ロマン最高経営責任者も、「チェコは2015年以降、電力不足に陥る」としたCEZの予測を、政府の専門家委員会が再確認した点に触れ、「省エネや再生可能エネルギーの開発は当然だが、温室効果ガスを出さずに必要な電力量を確保するには、経済的にも環境的にも原子力が最良の解決法だ」と断言。テメリンで当初の計画通り四基を稼動させるよう考えるに至ったと説明した。


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