[原子力産業新聞] 2008年8月21日 第2441号 <1面>

新検査制度公布へ 「事業者自らの改善が重要」 電力界が決意表明 来年4月から保全計画適用

原子力安全・保安院は、6日の総合資源エネルギー調査会の検査の在り方に関する検討会(委員長=班目春樹・東大院教授)で、新検査制度導入に向けた今後の予定を説明した。今月末に省令公布、来年1月初旬施行の予定で、同4月以降の最初の定期検査から新制度下での保全計画の適用を開始する。電力業界は「原子力の安全性、信頼性の向上は事業者自らの継続的改善が重要」と決意を新たにしている。

6日の会合では、6月下旬から募集した111件の意見が寄せられたパブコメへの回答案、報告書と省令の最終修正案などを審議し了承した。これにより、保安院は新検査制度を導入するための省令改正作業を終え、今月末に公布、官報に掲載する。今秋にはエネ調の保守管理検討会で関連する民間規格も評価する。

来年1月初旬の施行時には、各電力事業者が原子炉等規制法の保安規定の認可を取得済みとするため、施行の3か月前に同規定の申請を受ける。電気事業法の保安規程に相当する保全計画は施行後に届出る。保安規定に記載する原子炉停止間隔は、最初の申請は13か月以内とし、2サイクル目からは18か月も可能。24か月は3サイクル程度の運転でデータ蓄積を整備、5年後を目途に可能とする。

約2年半を必要とした同検討会の新検査制度に関する審議は今回で一段落。検討会の特別専門員である武藤栄・電気事業連合会原子力開発対策委員は、事業者としての決意を新たにした上で、「プラントライフを通した保全活動の見える化、日本原子力技術協会などの協力を得た保全情報の共有化、より高いレベルの保全活動により現場が元気になること、などに取り組む」とした。


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