[原子力産業新聞] 2008年8月21日 第2441号 <1面>

林特命大臣(防災、安全委所管)に聞く 「耐震安全チェック着実に」

今月初めの福田内閣改造により、5人の内閣府特命担当大臣が入れ替わった。その中で、原子力安全委員会を所管する林幹雄大臣(衆議院議員)に話を聞いた。

原子力施設の安全確保で現在、一番の焦点となっている耐震安全の取組については、「中越沖地震で得た知見を踏まえ、まず各事業者が、そして原子力安全・保安院がチェックをし、安全委員会が報告を受ける」と、新たな耐震指針に基づくバックチェックを着実に実施していくことを述べた。さらに、「原子力というとイメージ的に『怖い』と思われがち」として、それら評価結果の国民に対する説明責任の重要性も合わせて強調。

近年、アジア諸国を中心に原子力発電導入の動きが活発化している中、先月の洞爺湖サミットで3S(保障措置、原子力安全、核セキュリティー)イニシアティブの開始が合意されたが、原子力安全に係わる国際協力に関しては、「わが国は従来よりIAEAの活動等に協力してきた」などとした上、今後どのような貢献ができるか可能性を探っていく考えを示した。

林大臣は、多くの著名アーティストを輩出した日本大学芸術学部の出身だ。「文芸学科の広告・宣伝コースに進んだが、学園紛争が激しい頃で、専門課程を学べなかった」と振り返る。現在、衆参議員団の活動で、同学客員教授として再び母校に戻る機会をうかがうが、「まだ一度も教壇に立っていない」という。

林幹雄(はやし・もとお)氏 衆院議員(千葉10区)。70年日大芸術学部卒。民間会社勤務、千葉県議などを経て、93年衆院初当選。衆院国土交通委員長など歴任。08年8月国家公安委員長兼内閣府特命大臣(沖縄・北方対策、防災)として初入閣。61歳。(石川公一記者


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