[原子力産業新聞] 2008年8月21日 第2441号 <3面>

NEAの「ブラウン・ブック」加盟国の原子力シェア 06年から減少

経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は7月16日、「原子力エネルギー・データ2008」(通称=ブラウン・ブック)を公表し、OECD加盟28か国における2007年の原子力発電開発の状況や2030年までの予測値などを明らかにした。

それによると、07年に加盟国全体の原子力発電量は2兆1,720億kWhで、対前年度比3.6%減、総発電電力量に占める割合も06年の22.9%から21.6%に減少した。これは、フィンランド、ハンガリー、米国の原子炉で実績が好調だった一方、フランス、ドイツ、日本で稼働率が振るわなかったこと、およびスロバキアと英国で閉鎖された原子炉があったことによるとしている。

今年の1月1日現在、OECD加盟国中17か国で346基の原子炉が稼働しており、これに続いて14基、1,420万kW(韓国で6基、日本で3基、スロバキアで2基、フィンランドとフランスおよび米国で各1基)が建設中。さらに、建設されることが確実と目される原子炉計画が太平洋地域の加盟国で13基分存在するとしており、これらすべてが完成すれば、新たに3,120万kWが原子力設備容量に加えられるとしている。

一方、2012年までに閉鎖が計画されている原子炉は12基で、内訳はドイツで5基、英国で4基、フランス、日本、スロバキアで各1基となっている。

燃料サイクル関係については、ウラン価格の高騰により新たなウラン鉱の探査や既知資源の再評価が相次いでおり、05年〜07年における世界の総ウラン資源量は15%増加した。OECD加盟国における天然ウラン生産量はこれまでと同様、所要量を下回っており、不足分は輸入と二次供給源で埋め合わせていることが分かっている。濃縮については、07年中に処理能力の増強計画が進展しており、フランスと米国で新たな施設の建設が進行中であるとしている。


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