[原子力産業新聞] 2008年8月28日 第2442号 <3面>

米エネ省の融資保証プログラム カルバートクリフス、ノースアナなど 3電力が申請

米エネルギー省(DOE)のウェブサイトによると、新規原子力発電施設の建設について連邦政府から資金援助を受けるための融資保証プログラムに対して、5日までに3つの電力会社がすでに第1段階の申請済み、および2社が申請の意志があることを表明しているほか、サイクル施設対象分に関しては米国濃縮会社(USEC)が遠心分離法ウラン濃縮工場で申請書を提出していることが明らかになった。

このプログラムは米国における新規原子炉の建設を支援するため2005年エネルギー政策法に定められているもので、原子力発電施設については、合計185億ドルまでの申請について連邦政府が建設費の80%を上限に融資保証することになっている。

DOEのサイトは個別の電力会社名を明らかにしていないが、申請済みの3社中1社は、ユニスター・ニュークリア・エナジー(UNE)社の子会社である「カルバートクリフス3号機ニュークリア・プロジェクト社」であることが分かっている。ユニスター社はコンステレーション・エナジー社と仏電力株式会社(EDF)のJVで、仏アレバとコンステレーション社が協同で構築している事業基盤のもとで、メリーランド州のカルバートクリフス発電所3号機(今年3月にCOL申請完了)のほか、米国で少なくとも3基(キャラウェイ2、ベルベンド1、ナインマイルポイント3)のUS−EPR建設を狙っている。

コンステレーション社によると、今回の申請は第1段階の部分であり、第2段階の申請については今年12月中に提出する予定だという。2009年にもカルバートクリフス・サイトで新規原子炉を建設するか否かの判断を下したいとしているが、DOE側が同年に発給すると見られる予備的な承認はすべて、申請者が建設・運転一括認可(COL)を米原子力規制委員会(NRC)から取得することを条件としているため、発給は2010年以降になるとの公算が強い。

また、建設資材の価格高騰も建設判断の成否に深く係わる要因となっており、コンステレーション社のM.シャタック会長兼CEOは、新規原子炉の建設費を4500ドル〜6000ドル/kWの範囲の中間から上限近くと見積もっていることを明らかにしている。

このほか、15日にはバージニア州でノースアナ原子力発電所(PWR2基)を操業しているドミニオン社が、同3号機として150万kW級のESBWR建設を想定した融資保証を申請した。同社は昨年11月にNRCからノースアナ・サイトを対象とした事前サイト許可(ESP)を取得するとともに、建設・運転一括認可(COL)を申請。地元自治体等の規制当局からも承認を得た上で2010年にはNRCからCOLを取得し、早ければ15年にも新規原子炉の営業運転開始にこぎ着けたいとの意向を表明した。ESBWRを設計したGEエナジー社とはすでに昨年5月、圧力容器や蒸気タービンなど製造に時間のかかる大型機器の購入に関して契約を締結している。

融資保証制度の中でも核燃料サイクルのフロントエンド施設を対象とする20億ドル分については、7月25日にUSECがオハイオ州パイクトンで計画している米国遠心分離濃縮工場(ACP)の建設資金調達のために第1段階の申請を行ったと発表した。第1段階の申請締め切りが9月末であるのに対し、第2段階の締め切りは12月2日であるため、USECでは近々にも第2段階の申請を行う予定。

ACPで採用される濃縮技術は本来DOEが開発したガス遠心分離技術に基づくもの。USECはこれに設計や材料、製造部分でかなりの改良を加えたとしており、融資保証対象の選定基準である「商業利用に近い新技術や改良技術で温室効果ガス排出削減に貢献」に十分当てはまるとの自信を抱いている。

USECは2007年4月にNRCからACPの建設と操業について認可を取得しており、ほどなく建設を開始する計画であることを明らかにしている。予算はプロジェクト全体で35億ドルを想定しているが、これらの中に金融費用や財政保証は含まれておらず、USECはその分を政府の融資保証でカバーしたい考え。申請が認められれば、財務省の一部である連邦金融銀行(FFB)を通じて融資保証を受けることになる。


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