[原子力産業新聞] 2008年8月28日 第2442号 <3面>

民生用原子炉市場に参入 ロールスロイス社

英国の高級車メーカーとして知られるロールス・ロイス社は7月17日、世界の民生用原子炉市場は今後15年のうちに年間500億ポンドの規模に成長すると見込まれるため、これに本格的に参入するための専門の事業ユニットを社内に設置することになったと発表した。

ロールス・ロイス社はこれまで、英国海軍の原子力潜水艦用原子炉製造プログラムに携わってきた。英国内および米国と仏国の合計で原子力専門の従業員2000人を抱えており、原子力機器の調達に関しても、英国内で確かな技術力をもつ供給業者約260社と繋がりがあると強調している。

民生用原子力関係でも、1999年に100%子会社の「データ・システムズ&ソリューションズ(DS&S)社」を設立。安全性に最大の重点を置いた計測・制御システムを仏国の58基のPWRや米国、中国の原子炉に供給している。

同社では世界の民生用原子力市場は2023年までに現在の年間300億ポンドレベルから約500億ポンドに拡大すると試算。内訳は既存炉に対する支援で130億ポンド、新規原子炉建設で200億ポンド、そしてそれらへの支援関係で170億ポンドだとしている。新しい事業ユニットでは、民生用原子炉計画の様々なフェーズで、政府関係者や事業者に対する助言、技術的エンジニアリング、安全評価、および機器製造と調達など、全般的な支援を提供していくとしている。


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