[原子力産業新聞] 2008年8月28日 第2442号 <4面>

CTBT網で津波警報 外務省 「早期発効の弾みを期待」

包括的核実験禁止条約(CTBT)の監視網で得られた地震観測データを、国際的な津波警報に活用する取決めが11日、ウィーンで天野之弥・在ウィーン国際機関日本政府代表部大使とT.トートCTBT準備委員会事務局長との間で署名された。

これにより、我が国の気象庁に設置されている北西太平洋津波情報センターが、CTBTの国際監視制度により得られた地震観測データも活用できるようになり、津波判定に必要となる海外で発生した地震の速やかな検知や震源決定精度の向上を図ることができる。

外務省では、「(今回の)かかる協力を通じてCTBTの有効性が一層認識され、CTBT早期発効に向けた弾みとなることを期待する」としている。

CTBTは、宇宙、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発および他の核爆発を禁止する国際条約。96年9月に国連総会で採択されたが、現在も未発効。現在の署名国は178、批准国は144(日本は97年7月批准)。発効要件国として44か国が挙げられており、うち41か国が署名、35か国が批准。批准していない9か国の発効要件国のうち、中国、エジプト、インドネシア、イラン、イスラエル、米国の6か国は署名済みで、北朝鮮、インド、パキスタンの3か国が未署名。


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