[原子力産業新聞] 2008年9月4日 第2443号 <4面>

【わが国の原子力発電所運転速報】 8月利用率、約1年半ぶり7割台 PWRは84%と好調

原産協会の調べによると、08年8月の国内原子力発電所の稼働状況は、設備利用率71.4%、総発電電力量262億187万kWh(対前年同期比6.4%増)と、07年3月以来、およそ1年半ぶりに利用率が7割台に回復した。昨夏の震災による柏崎刈羽全号機停止の影響で低迷気味だった原子力発電の設備利用率は、7月から8月にかけ計11基が戦列復帰し、7月の63.1%から8.3ポイント押し上げられた。

炉型別の設備利用率は、BWRが63.2%で、07年3月以来、およそ1年半ぶりの6割台で、一方、PWRは84.1%と、前年同期の89.4%には及ばぬものの、かなり好調だった。

定期検査に伴い停止していた日本原子力発電敦賀2号機は8月8日、1年ぶりに発電を再開した。中越沖地震対応に伴うマンパワー不足、蒸気発生器入口配管管台溶接部損傷の調査・補修などにより、検査開始時期の延期、期間の延長が生じていた。9月中にも本格運転再開の見込みだ。

東京電力では、最大電力が8月4日14〜15時に6025万kW、8日同時間帯に6089万kWを記録した。今夏、同社の日別最大電力が6000万kWを越したのは、7月25日を含め計3日となる。柏崎刈羽全7基が停止中の最中、福島第一・第二は8月中、お盆時期に点検・補修に伴う停止が一部あったものの、計10基ほぼフル稼働で、盛夏電力需要に応えた。

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昨夏以前から継続停止しているプラント(計10基)を除くと、設備利用率は、約90%となる。


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