[原子力産業新聞] 2008年9月11日 第2444号 <2面>

関係政令を閣議決定 政策金融公庫も発足 米国向け投資金融具体化へ

先月の先進国原子力発電事業向け投資金融に関する政令の閣議決定、来月の日本政策金融公庫の発足などにより、米国の原子力発電新設における日本の投資金融協力が本格的に動き出そうとしている。米国では今後10年間で30基の新設が計画されており、この中で日本政策金融公庫による投資金融が、どの程度のプロジェクトで実現するか、関心が高まっている。

資源エネルギー庁の原子力政策課は今月2日の原子力委員会・定例会議に、日本政策金融公庫による原子力分野の先進国向け投資金融について説明した。

日本政策金融公庫は、今年10月1日に現在の国際協力銀行(JBIC)、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫などを統合し、新たに設立される政府全額出資の株式会社。

今回の政府系金融機関の組織改正を機に、輸出金融は外国法人向けマッチング融資の場合を除いて先進国向けは廃止、投資金融も重要な資源の開発や取得を除き、先進国向けは原則廃止となる。ただし、我が国の産業の国際競争力の維持や向上に関する国の施策の推進のために特に必要があるときは、政令で定めた上で投資金融の実施を可能としている。この原子力発電事業向け投資金融に関する政令が、先月26日に閣議決定され、制度上、すでに米国での新設における投資金融が可能となっている。

投資金融は、プロジェクトに日本企業が出資することを条件に、そのプロジェクトに融資や債務保証を行う。米国政府は原子力発電所の建設支援策として、個々のプロジェクトに融資保証を実施する方針だが、予算枠は2年間で約2兆円と制限があるため、実際に多くのプラントを供給すると予想される日本の公的金融機関の協力に期待してきた。

昨年4月に署名した「日米原子力エネルギー共同行動計画」に、原子力発電所の新規建設を支援するための政策協調を提起。今年5月に開催した同行動計画に基づく日米原子力エネルギー運営委員会の第2回会合で、日本貿易保険とJBICが連携して、米国政府の融資保証をサポートすることで合意。さらに、同6月に青森で開催されたG8エネルギー大臣会合の際に、甘利明・経産相(当時)とボドマン米国エネルギー省(DOE)長官が会談、日米協力の一環としてJBICの融資を検討するとの共同声明を出した。

米国政府の融資保証を受けるための申請の第1回締め切りは、今月26日となっている。

日本政策金融公庫が米国電力会社や日本企業が出資する原子力発電所の建設・運転などを行う共同企業体に融資するかどうかの判断や融資額は、同公庫が個々の案件毎に貸し倒れのリスクなど、金融上の判断により決定する。融資は日本からのプラントユニットや資機材調達とリンクしないアンタイドとなる。


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