[原子力産業新聞] 2008年9月11日 第2444号 <3面>

TESグループが購入へ ハイペリオン社の小型原子炉

米国ロスアラモス国立研究所の元研究者らで構成されるハイペリオン・パワー・ジェネレーション(HPG)社は8月13日、東欧および中東地区で活動する投資企業のTESグループから、同社が設計した小型原子炉「ハイペリオン」の27MWeモジュール(HPM)を6基購入したいとの発注内示書(LOI)を受け取ったことを明らかにした。

LOIによると、TESグループは6基のHPMを欧州および中東の様々なプロジェクトで活用したいとしており、今回の1基あたりの購入額は2500万ドルほど。これらのプロジェクトが成功した場合には、今後さらにHPMを50基購入することも検討しているという。

HPMは直径1.5m、高さ2mほどの自己制御型小型炉で、水素を減速材としカリウムで冷却する方式。三水素化ウラン(UH)の粉末を燃料としており、5年〜10年間、燃料交換なしで稼動した後は、モジュールごとにHPG社の工場で燃料交換を行うという核不拡散上のリスクが少ない仕組みとなっている。

HPG社はハイペリオンで米国の設計認証(DC)を得るため、すでに米原子力規制委員会(NRC)と予備的な協議を実施。2012年にはDCの申請書を提出したいとしており、現在は申請前審査が行われている。将来的には全世界で4000基のハイペリオン建設を目指したいとしている。


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