[原子力産業新聞] 2008年9月18日 第2445号 <1面>

福島プル計画凍結を解除 富岡町議会 立地町の議論活発化へ

福島県の富岡町議会は16日、東京電力の福島第一原子力発電所(=写真)3号機のプルサーマル計画の凍結を求めた6年前の意見書を白紙にする決議を賛成13、反対1で可決した。今後、双葉町・大熊町・楢葉町を含む立地4町や県で、同計画の議論が再び活発化する見通し。

富岡町の原子力発電所に関する特別委員会は今月9日の会合で、事業者や国の安全確保への取り組みが進んでおり、立地4町がオープンにプルサーマルを議論することが必要な時期になっているとして、凍結を白紙に戻すことを賛成多数で可決していた。16日の町議会では、こうした同委員会の審議の経緯が報告され、町議会としても凍結を白紙にする決議を可決した。

福島第一・第二原子力発電所が立地する4町の内で、議会が凍結を決議していたのは富岡町だけ。このため今回の凍結解除により、4町の町長と議長で構成する原子力発電所所在町協議会などでプルサーマル計画に関する議論が活発化することが予想される。すでに3町は議論再開の姿勢を示している。

県や立地町は、98年に同計画を事前了解したが、02年の東京電力のトラブル隠蔽を受け、県や富岡町が凍結を決議。計画はその後6年間、凍結状態が続いている。

電力各社のプルサーマル計画は、九州電力の玄海3号機以降、着実に進んでいるが、福島の進展はこうした動きを大きく推進することになる。


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