[原子力産業新聞] 2008年9月18日 第2445号 <3面>

次世代炉の認可戦略作成 米エネルギー省と規制委

米エネルギー省(DOE)と米原子力規制委員会(NRC)はこのほど、次世代型原子炉(NGNP)設計に2017年までに認可を与え、2021年までに操業を開始させるために必要なアプローチや分析ツール、研究開発活動、および財源の見積もりなどを記述した許認可ロードマップを作成し、議会に配布した。

NGNP計画はDOEによる第4世代原子炉プログラムの一部で、原子力利用の新たな概念に着目したもの。「次世代原子炉の許認可戦略」と題されるこの計画書では特に、水素やプロセス熱の生産が可能な高温ガス炉(VHTR)に焦点を当て、高温を産業利用する可能性に言及している。

具体的な内容はDOEとNRC、そして潜在的なプラントメーカーがこのVHTR設計に認可を取得させ、2017年までに運転開始させるためにどのように協力していくかを議員達に説明するものとなっている。特に、NGNPのための最良の認可戦略とは、軽水炉で適用されているような一括方式の認可システムを活用することだと指摘。軽水炉用の分析ツールをNGNP用のモデルやデータに適宜修正することが可能な一方、既存のリスク情報活用型・性能ベースの認可要求項目をNGNP特有の要求項目創設のために適用することも出来るとしている。

NRCの試算では、分析ツールやデータの構築には2018年までの期間に5年で1億2800万〜1億4900万ドルかかる見通し。今年から準備を始めても勧告した戦略が認可申請に適用されるのは13年になるとの見方を示している。

DOEはすでに今年4月、進行中の概念設計活動を完了させ、NGNPの性能や安全性、機能上の要件、および建設・操業に関するコストと日程を詳細決定するため、一般および産業界から意見を募集。NGNP計画の展開で産業界と協働していくための最終戦略策定に活用する。最終戦略はこの秋にもとりまとめ、21年までにNGNP原型炉を設計・建設したいとしている。


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