[原子力産業新聞] 2008年9月18日 第2445号 <3面>

小型炉をIAEA総会で展示へ 米ハイペリオン社

米国ロスアラモス国立研究所の元研究者らで構成されるハイペリオン・パワー・ジェネレーション(HPG)社は9日、同社が開発した小型原子炉「ハイペリオン・パワー・モジュール(HPM)」について、29日からウィーンで始まる国際原子力機関(IAEA)の第52回総会で展示・紹介することになったと発表した。

HPGの展示は、米商務省、国務省、およびエネルギー省がスポンサーとして推進する原子力民需産業のブースで紹介されることになっており、HPGのJ.ディール最高経営責任者およびJ.ジョーンズ事業開発理事らがブースで直接HPMの説明に立つ予定。低濃縮ウラン(三水素化ウラン)を燃料として使用するHPMでは、蒸気タービンとの接続により70MWt、あるいは27MWeの発電が可能で、米国の平均的な家屋2万戸に十分な電力を供給することができる。HPGとしては将来的に、世界の3か所の製造工場で初期設計のモジュール4000基を生産するしている。

J.ディール最高経営責任者は特に、HPMの特長として「元々、オイルサンド採掘などのような遠隔地域の産業に抱負な電力を供給できるよう考えたもの」である点を強調。それ以外にも、信頼性の高い電力供給を必要としている地域の人々から驚くほど多くの関心が寄せられているとしている。

同氏はまた、HPM購入の意志がある企業の多くが欧州における多目的な開発にHPMを利用しようとしている点に言及。「HPMこそ、どのような場所においても最良の解決策となるはずだ」と指摘している。


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