[原子力産業新聞] 2008年9月25日 第2446号 <2面>

日本原燃 流下試験の準備再開 ガラス固化 ノズル閉塞で改善策

兒島伊佐美・日本原燃社長は24日の定例記者会見で、六ヶ所再処理工場の高レベル放射性廃棄物ガラス固化試験でのガラス溶融炉の不具合の現状と今後の対応について説明した。

それによると、ガラス溶融炉の流下ノズル近傍で確認された付着ガラスを、新たに開発したヒーターやノッカーを駆使して除去した上で、結合装置を取り外して内部の清掃・除去を実施し、可能な限り、付着ガラスを除去。その付着ガラスの成分を分析した結果、現状では白金族元素の堆積を示すものは見られなかった。

今回の流下停止・ガラス付着の原因を絞り込んだ結果、流下操作を開始した時点では、流下ノズルの温度が円滑な流下に必要な温度まで上昇していなかったことから、流下ガラスの粘性が高くなり、流下ガラスが曲がった状態で流下、それがコイルなどに付着し、そこを起点としてノズル下部が閉塞したものと推定した。

対策としては、ノズルの温度目標を高めに新規設定することにした。

また結合装置については、取り付けなどの復旧作業を14日には終了しており、現在、溶融炉の熱上げなど流下開始の準備を進めているとした。

その後、ガラス固化体3本程度の下流を行って、下流ノズルの健全性と流下性についての確認試験を行う方針だ。


Copyright (C) 2008 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.