[原子力産業新聞] 2008年9月25日 第2446号 <2面>

経産省 「前面に立つ」 廃棄物小委 石田エネ長官が決意表明

総合資源エネルギー調査会原子力部会の放射性廃棄物小委員会(委員長=森嶌昭夫・日本気候政策センター理事長)は12日、昨年、同委員会がとりまとめた「最終処分事業を推進するための取組の強化策」以降の取組状況について、資源エネルギー庁、原子力発電環境整備機構(NUMO)、電気事業連合会から報告を受けた。原子力委員会の政策評価部会では去る2日、強化策の取り組みの考え方は「適切」などとする報告書を取りまとめている。

審議に先立ち、今夏、資源エネルギー庁長官に就任した石田徹氏が挨拶に立ち、六ヶ所再処理工場の本格稼働を控え、一刻も早く処分場候補地の文献調査に入れるよう、「前面に立って」取り組んでいく決意を示した。

同庁からは、処分事業推進に向けた国民との相互理解促進活動の状況他、強化策を受けて設置された「地域振興構想研究会」、「放射性廃棄物処分技術ワーキンググループ」での審議状況を説明した。「地域振興構想研究会」では、処分事業の推進と地域振興を表裏一体のものと考え、交付金の意義と合わせ処分事業が地域にもたらすメリットを整理した上で、処分事業全体と調査段階に分け、地域振興プランの実例を160件提示した。地域が主体的に振興プランを立案できるよう、実際に各地で進められているまち作りの実例を収集し、まとめ上げている。例えば、高度な医療機関の整備を通じ、住民の健康・福祉向上を図るとともに、医療・福祉産業の拠点形成で新たな就労機会も創出する「上越地域医療センター病院MRI整備事業」、大規模ハイテク温室によるブランドトマト生産で、農林水産業の高度化、観光産業の発展も目指すカゴメ・電源開発共同の「生鮮トマト大規模栽培」(北九州市)などがある。

NUMOは、全国大での「草の根対話活動」を引き続き進めるほか、今秋から新たなテレビCM、雑誌広告を打ち出すなど、マスメディアにも積極展開を図る。また、アンケート調査を踏まえたホームページのリニューアル、報道関係勉強会や「誤情報対応チーム」を通じ、正確な情報発信に努めるなど、国民全般への広報を拡充していく。


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