[原子力産業新聞] 2008年10月16日 第2449号 <4面>

ノーベル賞受賞者 文科相、科技相を表敬 基礎研究の重要性などに言及

08年ノーベル物理学賞に輝いた小林誠・高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授(=写真左)と益川敏英・京都大学名誉教授(=写真中央)が10日、塩谷立文部科学大臣、野田聖子内閣府科学技術担当大臣を相次ぎ表敬訪問した。

2人は、「CP対称性の破れ」と呼ばれる粒子と反粒子に働く法則を説く「小林・益川理論」を提唱し、現代の素粒子物理学発展に大きく寄与した。KEKの小林教授は79年に、同機構(当時、高エネルギー物理学研究所)に着任。KEKB加速器を用いた「Bファクトリー実験」で、「小林・益川理論」実証に結び付く成果を挙げた。小林教授は現在、日本学術振興会理事として活躍中だ。

塩谷文科相訪問で、益川教授は、できない試験問題をスキップするよう指導する現代の教育を「教育汚染」として批判した。

総合科学技術会議の有識者議員も同席した野田大臣表敬訪問で、小林教授は、談笑し喜びをあらわにする益川教授とは対照的に、寡黙であったが、大臣の問いかけに、「『男子たるもの、ベラベラしゃべるな』と子供の頃、父親から叱られた」などと応えた。将来の研究開発のあり方については、両氏とも、基礎研究の重要性を強調し、長期的視点で、自由な発想を抑制しないような評価システムの構築を求めた。

ノーベル物理学賞は今年、2人の他に南部陽一郎・シカゴ大学名誉教授も受賞、これで日本人受賞者は湯川秀樹博士以来、計7人となった。


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