[原子力産業新聞] 2008年10月16日 第2449号 <4面>

日本軽金属 アルミニウムをベースに 中性子遮蔽材市場に参入

日本軽金属グループの日軽金アクトはアルミニウムをベースとする製品により、キャスク用中性子遮蔽材市場に参入するため、新潟工場(新潟市)に同遮蔽板材の製造工場の建設を進めてきたが、このほど完成し、操業を開始した。

新工場の第1号ラインは400トン熱間圧延機と付帯設備などで構成しており、最大で幅600mm×長さ2500mm×厚さ2〜8mmの中性子遮蔽板材の生産が可能。年間生産能力は200トン、設備投資額は5億円。

アルミニウムをベースとした中性子遮蔽材(=写真)は、アルミ粉末と炭化ホウ素を原料とする。新工場で生産する遮蔽板材「MAXUS」(マクサス)は、均質な内部組織などにより、従来課題とされた熱による変形や剥離がなく、耐久性に優れていることが特徴。日本軽金属の化成品事業部・メタル合金事業部・板事業部・グループ技術センター、東洋アルミニウムなどグループが有する様々な技術・知見を結集、約4年間のプロジェクト横串活動により開発した。

すでに米国および国内の第三者機関による中性子透過試験において遮蔽性能を確認しており、今回の製造ライン完成により、国内メーカーとしては初めてアルミニウムを素材とするキャスク用中性子遮蔽材の事業を本格展開する。今年度は1億円、2013年度には40億円の売上げを見込んでいる。


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